経営管理と営業の仕事は「考える時間」と「作業の時間」が混在している。事業計画を考えるのは人間の仕事だが、市場データを集めてまとめるのは作業だ。提案書の骨子を考えるのは人間の仕事だが、体裁を整えてスライドに落とすのは作業だ。ここで紹介する17スキルは、その「作業」の部分を自動化するものだ。
独立を控えた今、これらのスキルは自分自身の事業計画にも使っている。「自分がクライアントの事業計画を作るツール」で「自分の事業計画」を作る。実用と検証が同時に進む。
経営・企画系
/biz-validate — 事業アイデアの初期検証
使う場面: 新しい事業アイデアが浮かんだとき。「これ、いけるかな」の初期判断。
Before → After:
- Before: アイデアを思いつくと、すぐに詳細な計画に入ってしまう。市場があるかどうかの検証が後回しになり、数週間かけた計画が「そもそも市場がなかった」で終わることがあった。
- After: アイデアを入力すると、市場規模の概算、競合の存在確認、差別化ポイントの仮説、Go/No-Goの初期判断が30分で出る。
仕組み: 事業アイデアの概要から、市場(TAM/SAM/SOM)の概算推定、既存プレイヤーの調査、差別化の可能性評価を実行。「やる価値があるか」の初期スクリーニングを行い、Go/No-Go/要追加調査の判定を出す。
実際の効果: 「いいアイデアだけど市場がない」を早期に見極められるようになった。以前は1つのアイデアに数週間投資してから撤退することがあったが、今は半日で判断できる。失敗のコストが劇的に下がった。
/biz-plan — 事業計画書の叩き台生成
使う場面: 事業計画を作成するとき。銀行や投資家への説明資料。社内の新規事業提案。
Before → After:
- Before: 事業計画書を白紙から作成。市場調査、競合分析、収支計画、リスク分析を個別に行い、1本にまとめるのに1週間。
- After: 事業概要を入力すると、市場調査・競合分析・ビジネスモデル・収支計画・リスク評価・アクションプランの叩き台が半日で出る。
仕組み: 事業の概要、ターゲット、ビジネスモデルの仮説を入力すると、Web調査で市場データを収集し、事業計画書のフルフォーマット(市場分析、競合マッピング、収支計画、リスク評価、マイルストーン)を生成する。
実際の効果: 事業計画書の「初稿」が半日で手に入る。もちろんそのままでは使えない。数字の精度、仮説の妥当性、戦略の深さは人間が磨く必要がある。でも、白紙から始めるのと叩き台から始めるのでは、スピードが全く違う。
/biz-market — 市場調査(TAM/SAM/SOM・トレンド・競合マップ)
使う場面: 事業計画の市場分析パート。新規参入の意思決定前。
Before → After:
- Before: 市場レポートを購入するか、公開データを手動で集めるか。まとめるだけで2日。
- After: 市場名を入力すると、TAM/SAM/SOMの推定、市場トレンド、セグメント分析、競合マッピングが出力される。
仕組み: 指定した市場についてWeb調査を実行し、公開データ(業界レポートの公開部分、ニュース、企業情報)から市場規模を推定。トレンド(成長/縮小の方向性)、主要セグメント、競合のポジショニングをマッピングする。
実際の効果: 市場調査の「初動」が圧倒的に速くなった。完璧な調査ではないが、方向性を掴むには十分。詳細な数字が必要な場合は、AIの調査結果をベースに深掘りすればいい。
/biz-financial — 収支シミュレーション
使う場面: 事業計画のP&Lパート。「この事業、黒字化するのにどれくらいかかるか」の試算。
Before → After:
- Before: Excelで収支モデルを手動作成。パラメータを変えるたびに再計算。感度分析まで含めると1日。
- After: ビジネスモデル(売上の構成、コスト構造)を入力すると、PL予測・損益分岐点・感度分析・ROI計算が出力される。
仕組み: 売上の構成(単価×数量、サブスク×MRR等)とコスト構造(固定費・変動費)から5年間のPLを生成。損益分岐点の算出と、主要パラメータ(単価、獲得数、解約率等)の感度分析を実行する。
実際の効果: 「この価格で月何件取れれば黒字化するか」が即座にわかる。自分の独立計画でも使っていて、「最低限これだけあれば生活できる」のラインが明確になった。精神的な安心感にもつながっている。
/biz-risk — リスクの洗い出しと対策
使う場面: 事業計画のリスクパート。重要な意思決定の前。
Before → After:
- Before: 自分の頭で思いつくリスクを書き出す。自分のバイアスで見落とすリスクがある。
- After: 事業概要を入力すると、カテゴリ別(市場・競合・財務・法規・技術・組織)のリスクを網羅的に洗い出し。各リスクの発生確率、影響度、対策案を一覧化。
仕組み: 事業内容から想定されるリスクをカテゴリ別に洗い出し、各リスクの発生確率(高/中/低)と影響度(大/中/小)をマトリクス化。高リスク項目には具体的な対策案を付与する。
実際の効果: 「自分では気づかなかったリスク」が出てくる。特に法規制リスクや競合の参入リスクは、自分の専門外だと見落としがちだが、AIが網羅的にチェックしてくれる。
/biz-review — 事業計画のレビュー
使う場面: 事業計画書の完成後。提出前の最終チェック。
Before → After:
- Before: 自分で作った計画を自分でレビューする。バイアスがかかっているので甘い評価になりがち。
- After: 事業計画書を読み込ませると、コンサル視点で弱点を指摘。「この仮説は楽観的すぎる」「競合分析が浅い」「リスク対策が具体的でない」と率直なフィードバック。
仕組み: 事業計画書の各セクション(市場分析、競合分析、収支計画、リスク評価)を評価基準に照らしてレビュー。弱点・矛盾・楽観バイアスを指摘し、改善方向を提案する。
実際の効果: 「自分に甘い部分」を突いてくれる。特に収支計画の楽観シナリオに偏りがちな点を指摘されて、現実的な計画に修正できた。壁打ち相手としてのAIの価値を実感している。
/strategy-brief — CEO向け週次戦略ブリーフィング
使う場面: 毎週。経営者に「今週のハイライトと来週の論点」を簡潔に伝えるとき。
Before → After:
- Before: 今週の出来事を頭の中で整理し、メモにまとめて共有。漏れが出る。30分。
- After: 今週のKPIデータ、進行中プロジェクトの状況、外部環境の変化を自動収集し、1ページのブリーフィングに凝縮。
仕組み: 各プログラムの今週の出力(KPIデータ、ニュース、進捗報告)を横断的に集約し、「今週のハイライト」「注意すべき変化」「来週の判断事項」の3点に凝縮したブリーフィングを生成する。
実際の効果: 経営者への報告が「網羅的かつ簡潔」になった。以前は話が長くなるか、重要なことを伝え忘れるかのどちらかだったが、ブリーフィングがあると論点が明確になる。
/pl — 個人PLの自動生成
使う場面: 月末。個人の収支を把握したいとき。確定申告の準備。
Before → After:
- Before: クレジットカードの明細をダウンロードして、Excelで勘定科目に分類。毎月2時間。
- After: クレカ明細のCSVを読み込ませると、AIが勘定科目を自動振り分けしてPL表を生成。15分。
仕組み: クレジットカード明細のCSVを読み込み、各取引を勘定科目(交通費、通信費、交際費、消耗品費等)に自動分類。過去の分類パターンを学習して精度が上がる。月次PLと年間累計を生成する。
実際の効果: 「お金の管理をサボる」がなくなった。以前は面倒で3ヶ月分溜めてからまとめてやっていたが、15分で終わるなら毎月やる。支出の傾向を早期に把握できるようになった。
営業系
/source — 11プラットフォームから案件を自動ソーシング
使う場面: 毎朝自動実行。フリーコンサル案件の自動収集。
Before → After:
- Before: 11の案件サイトを1つずつ巡回し、条件に合う案件を探す。毎日1時間。見落としも多い。
- After: 11プラットフォームを自動巡回し、条件フィルタ→マッチング評価→提案ドラフト生成まで自動。毎朝Discordに新着案件が届く。
仕組み: 11のフリーコンサル案件プラットフォームを自動巡回し、スキルセット・希望条件でフィルタリング。マッチング度を評価し、高マッチ案件には提案ドラフトも生成する。結果はDiscordの専用チャンネルに投稿。
実際の効果: 案件の見落としがなくなった。以前は忙しい日にサイト巡回をスキップしていたが、自動化されているので365日休みなく監視できる。好条件の案件を逃すリスクが大幅に下がった。
/source-apply — 案件への応募文自動生成
使う場面: 気になる案件を見つけたとき。応募文の作成。
Before → After:
- Before: 案件の詳細を読み、自分のスキルとの接点を考え、応募文を手動作成。1件30分。
- After: 案件URLを入力すると、企業調査→案件要件の分析→自分のスキルとのマッチング→応募文の生成まで自動。10分。
仕組み: 案件URLから要件を抽出し、募集企業のWeb調査を実行。自分のスキルセット(MEMORY.mdに記録)と案件要件のマッチングを評価し、強みを効果的にアピールする応募文を生成する。
実際の効果: 応募のハードルが下がった。「応募文を書くのが面倒」で見送っていた案件にも気軽に応募できるようになった。打席数が増えれば、ヒットの確率も上がる。
/propose — 提案書の叩き台自動生成
使う場面: クライアント候補への提案書作成。サービスの説明資料。
Before → After:
- Before: クライアントの課題を仮説し、サービス内容と料金を組み立て、体裁を整える。1本3-4時間。
- After: クライアント名とサービスメニューを指定すると、課題仮説・提案内容・期待効果・料金の叩き台が30分で出る。
仕組み: クライアント(候補)の公開情報からビジネス課題を推定し、サービスメニューに応じた提案内容を構成。期待効果の試算と料金プランを含む提案書を生成する。
実際の効果: 提案書を出す頻度が増えた。以前は「提案書を作る時間がない」が営業のボトルネックだったが、叩き台が30分で手に入るなら、修正に時間を使える。質と量の両立。