4月は Claude Code の機能が怒涛の勢いで拡張された月だった。昨日の記事(v2.1.122-123)でリリース内容は追いついたので、今日は Routines・Hooks 強化・MCP 500K・/powerup の4本を丁寧に整理する。
1. Routines — ノートPCを開かずに自動実行できるスケジュール機能
リリース日:2026年4月14日(リサーチプレビュー)
対象プラン:Pro・Max・Team・Enterprise
Routines とは
「プロンプト + リポジトリ + コネクター」のセットを一度設定すれば、Anthropic のクラウドインフラ上で Claude Code セッションが自動実行される仕組み。ローカルマシンを起動したまま放置する必要がない。
claude.ai/code/routines または CLI の /schedule コマンドで作成
3種類のトリガー
| トリガー | 説明 |
|---|---|
| Schedule | 毎時・毎日・毎週などのプリセット、またはカスタム cron 式で定期実行 |
| API | 各 Routine に発行される専用エンドポイントへ HTTP POST すると即時実行 |
| GitHub | リポジトリイベント(PR・push・issue など)に反応して自動起動 |
GitHub トリガーで対応しているイベント
pull_request / push / issues / check_run / workflow_run / discussion / release / merge_queue
PR トリガーはさらに細かくフィルタリング可能:
- 作成者・タイトル・本文・ベースブランチ・ヘッドブランチ
- ラベル・ドラフト状態・マージ状態・フォーク由来かどうか
セットアップの注意点
GitHub トリガーを使うには 2ステップが両方必要:
claude.ai/codeで/web-setupを実行 → リポジトリのクローン権限を付与- 対象リポジトリに Claude GitHub App をインストール → Webhook 配信を有効化
/web-setup だけでは GitHub App のインストールは完了しない。公式ドキュメントでも “Both are required” と明記されている。
実行回数の上限
| プラン | 1日あたりの Routine 実行数 |
|---|---|
| Pro | 5回 |
| Max | 15回 |
| Team / Enterprise | 25回 |
CLI から claude --schedule run または Web UI の「Run now」ボタンで手動トリガーも可能。
実務での活用例
例1: 毎朝 GitHub Issues をトリアージしてラベルを付与
例2: PR が作られるたびにコードレビューコメントを自動投稿
例3: 毎晩ドキュメントを最新状態に自動更新
例4: API 経由でデプロイパイプラインから Claude を呼び出す
2. Hooks の大幅強化(4月前半リリース)
PostToolUse でツール出力を書き換え可能に
以前は MCP ツール専用だった hookSpecificOutput.updatedToolOutput が、すべてのツールに対して使えるようになった。
{
"type": "PostToolUse",
"hookSpecificOutput": {
"updatedToolOutput": "カスタム出力内容"
}
}
ツールが返した結果をそのまま Claude に渡す前にフィルタリング・加工できる。機密情報のマスキングや、大量出力の要約前処理などに使える。
Hooks から MCP ツールを直接呼び出し
{
"type": "mcp_tool",
"serverName": "my-server",
"toolName": "notify",
"arguments": { "message": "ツール実行完了" }
}
Hook の中から MCP サーバーのツールを直接実行できるようになった。外部サービスへの通知・ログ送信・承認フロー連携が Hooks だけで完結する。
PreToolUse に「defer」オプションが追加
これまで PreToolUse Hook は「許可する / 拒否する」の2択だったが、defer(外部シグナルを待つ) が追加された。
{
"type": "defer",
"waitForSignal": true
}
人間の承認が必要なツール実行を一時停止して、外部から再開シグナルを受け取るまで待機できる。ヒューマン・イン・ザ・ループ設計が Hooks レベルで実装可能になった。
PermissionDenied Hook + リトライ
ツールが拒否されたとき専用の Hook が走り、カスタムリトライロジックを実行できる。エラーで即終了するのではなく、代替手段を試す実装が書けるようになった。
3. MCP 500K 上限拡大(v2.1.91)
MCP ツールの1回あたり返却サイズ上限を 500,000文字 まで指定できるようになった。
{
"_meta": {
"anthropic/maxResultSizeChars": 500000
}
}
以前のデフォルト制限は大きなファイル読み込みやデータベース出力で頻繁に問題になっていた。ログ解析・大規模ファイル処理・DB クエリ結果を丸ごと渡すようなユースケースで詰まっていた場合はこれで解消する。
4. /powerup — ターミナル内インタラクティブチュートリアル(v2.1.90)
/powerup
ドキュメントのリンクを開くのではなく、ターミナル内でアニメーション付きデモが走る学習システム。v2.1.90(4月1日)で導入。
セッション開始時の初回オンボーディングとしても機能するが、既存ユーザーが新機能の使い方を確認するリファレンスとしても使える。チームへの展開時に「まず /powerup を実行してみて」と伝えるだけで手順説明が完結するのが便利。
4月の主要アップデート早見表
| 日付目安 | バージョン | 内容 |
|---|---|---|
| 4/1 | v2.1.90 | /powerup インタラクティブチュートリアル |
| 4/1 | v2.1.91 | MCP 500K 出力上限拡大 |
| 4/4〜 | v2.1.92+ | PostToolUse 全ツール対応・defer option・PermissionDenied Hook |
| 4/4 | — | /cost にモデル別・キャッシュヒット別の内訳表示を追加 |
| 4/14 | — | Routines リサーチプレビュー開始(全有料プラン) |
| 4/28 | v2.1.122 | ANTHROPIC_BEDROCK_SERVICE_TIER env var・/resume への PR URL 貼り付け |
| 4/29 | v2.1.123 | DISABLE_EXPERIMENTAL_BETAS 環境での OAuth 401 ループ修正 |
今日のまとめ
4月は「自律性を上げる」系の機能が集中して出た月だった。
- Routines はローカルプロセス管理から完全に解放してくれる。cron + CI の代替として使えるシーンが広い
- Hooks の defer はヒューマン・イン・ザ・ループをコードで設計できるようになった点で大きい
- MCP 500K はシンプルな数字の拡大だが、詰まっていたユースケースが多かった
- /powerup はチームへの導入コストを下げる地味に重要な機能
Routines はまだリサーチプレビューなので API の仕様変更もあり得るが、実務での活用には十分なレベルに仕上がっている。
参考ソース:
- Introducing routines in Claude Code | Claude
- Automate work with routines - Claude Code Docs
- Changelog - Claude Code Docs
- Claude Code April 2026 Update: /powerup, MCP 500K | Daily 1 Bite
- Claude Code MCP vs Skills vs Hooks | Geeky Gadgets
- Releases · anthropics/claude-code | GitHub
- Claude Code by Anthropic - Release Notes April 2026 | Releasebot
- Anthropic adds routines to redesigned Claude Code | 9to5Mac
- Claude Code Routines Tutorial: Schedule, API, and GitHub Triggers | builder.io
- Decoding the Claude Code April 2026 Changelog | Apiyi.com Blog