本日(4/28)は Claude.ai の大規模障害と、同日リリースの v2.1.121 がメインニュース。障害は約1時間半で復旧済み。v2.1.121 は MCP の使い勝手・フックの表現力・パフォーマンスまわりでじわっと効く改善が届いている。加えて、最近静かに整備された プロンプトキャッシュ TTL 環境変数 の実践的な使い分けも紹介する。
1. Claude.ai 大規模障害(4/28)— 約1時間24分で復旧
4/28(火)日本時間の深夜〜朝にかけて(米東部時間 13:35〜14:59)、Claude 全体で大規模な障害が発生した。
何が起きたか
Claude のステータスページは「Claude.ai 利用不可 および API 上の elevated error」と「Haiku 4.5 の elevated error」を公式に確認。Downdetector ではピーク時に約8,000件の報告が集まった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始(ET) | 13:35 頃 |
| 修正アナウンス | 14:20 頃 |
| 復旧完了 | 14:59 頃 |
| 障害時間 | 約 1 時間 24 分 |
| 影響範囲 | Claude Chat・Claude Code・Haiku 4.5 API |
影響と現状
Claude Code を使ったCIパイプラインやヘッドレスタスクが止まったケースも報告されている。現時点(執筆時点)では完全復旧済み。
障害に備えて意識しておきたいのが、ヘッドレスセッションでの --resume フラグ活用と、タイムアウト時のリトライ設計だ。自動化スクリプトで Claude Code を組み込んでいる場合は、API エラー時の exponential backoff を入れておくと影響を最小化できる。
# 中断されたセッションを再開する基本パターン
claude --resume SESSION_ID -p "中断した作業を続けて"
# API エラー時の簡易リトライ(bash)
for i in 1 2 4 8 16; do
claude -p "..." && break
echo "リトライ待機 ${i}秒"
sleep $i
done
2. v2.1.121(4/28 リリース)— MCP alwaysLoad ほか
本日リリースの v2.1.121 は地味ながら実務で効く改善が揃っている。
MCP サーバーに alwaysLoad オプションが追加
一番注目したい変更。MCP サーバー設定に alwaysLoad: true を指定すると、そのサーバーのツール全てが ツールサーチの遅延対象から除外され、セッション開始時点から常時利用可能になる。
// ~/.claude/settings.json
{
"mcpServers": {
"my-db-tools": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "my-db-mcp-server"],
"alwaysLoad": true
}
}
}
トレードオフの整理:
| 設定 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
alwaysLoad: false(デフォルト) | ツールサーチで無駄なトークンを節約 | @-メンション時の初回遅延あり |
alwaysLoad: true | 即座に使える。セッション中の往復ゼロ | 常にツール定義がコンテキストを占有 |
推奨の使い分け: 毎ターン呼ぶような小規模サーバー(DB クライアント・Git ツールなど)は alwaysLoad: true。大型サーバーや呼ぶ頻度が低いものはデフォルトのまま。
/skills にフィルタ検索ボックスを追加
スキルが増えてきた環境向けの改善。/skills コマンドでモーダルを開くと、テキスト入力でスキルをフィルタリングできるようになった。これまでスキルが多いとスクロールが大変だったが、名前の一部をタイプするだけで絞り込めるようになった。
PostToolUse フックでツール出力を差し替え可能に
PostToolUse フックで、ツールの出力を Claude が受け取る前に差し替えることができるようになった。hookSpecificOutput.updatedToolOutput を返すことで、任意のツール結果を上書きできる。
// フック設定例(~/.claude/settings.json)
{
"hooks": {
"PostToolUse": [
{
"matcher": "Read",
"hooks": [{
"type": "command",
"command": "python3 /usr/local/bin/sanitize-output.py"
}]
}
]
}
}
実用例:
Readツールで読んだファイルから機密情報(APIキー・パスワード)をマスクして Claude に渡す- ツール結果を別フォーマットに変換(例:JSON → YAML)してから渡す
- 外部 API の結果から不要なフィールドを削ぎ落として token 節約
Write ツールの diff 計算が 60% 高速化
タブ文字・&・$ を多く含む大きなファイルへの Write 操作で、diff 計算時間が 約 60% 削減された。インフラ設定ファイルや Makefile、シェルスクリプトなど「特殊文字が多いファイル」を Claude に書かせることが多い場合に効いてくる。
その他の修正
- アイドル時の「
/clearで X トークン節約できます」ヒントが不正確なトークン数を表示していたバグを修正 - Plugin MCP サーバーがセッション開始時に「connecting」で止まってしまうバグを修正
- MCP ツール結果の永続化アノテーション対応 — 大きな結果(DBスキーマ・ファイルツリーなど)をディスクに書き出さず inline で通せるように
3. プロンプトキャッシュ TTL 環境変数の使い分け
v2.1 系で静かに整備された機能だが、コスト管理に直結するため改めて整理する。
背景:TTL が 1時間 → 5分に変わっていた
2026年3月初頭、Anthropic は prompt cache のデフォルト TTL を 1時間から5分に短縮した。これにより、長時間のセッションやバッチ処理でキャッシュ再利用率が低下し「キャッシュしているのにコストが増えた」という現象が起きた。
環境変数で TTL を制御する
| 環境変数 | 動作 |
|---|---|
ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1 | 1時間キャッシュ TTL を有効化(API キー・Bedrock・Vertex・Foundry 対応) |
FORCE_PROMPT_CACHING_5M=1 | 強制的に5分 TTL |
# 1時間キャッシュを有効にして起動
ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1 claude -p "長いコンテキストが必要なタスク"
# .env または ~/.zshrc に書いておくと毎回有効になる
export ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1
使い分けの目安
ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1 を使う場面:
- 同じ大きな CLAUDE.md・仕様書を何度も読み込むプロジェクト
- 数時間にわたる長時間セッション
- 毎日同じバッチ処理を走らせる自動化スクリプト
デフォルト(5分)のままにする場面:
- ワンショットのタスク(1回で終わるプロンプト)
- サブエージェントを多数並列起動する場合(キャッシュ書き込みコストが無駄になる)
- コンテキストが毎回大きく変わるインタラクティブな会話
今日のまとめ
| トピック | ポイント |
|---|---|
| Claude.ai 障害 | 4/28 の約1時間半のダウン。現在は復旧済み。自動化スクリプトには exponential backoff を |
| v2.1.121 | alwaysLoad: true で頻繁に使う MCP サーバーをゼロ遅延化。/skills 検索も便利に |
| PostToolUse 出力差し替え | フックでツール結果を書き換え可能に。機密情報マスク・フォーマット変換に使える |
| プロンプトキャッシュ TTL | ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1 で長時間セッションのコストを節約。状況次第で使い分け |
今日は障害で「使えない!」と慌てた人も多いかもしれない。Claude Code をCIや自動化に組み込んでいる人は、リトライ設計と障害時の fallback をこの機会に見直すタイミングかもしれない。
参考ソース:
- Release v2.1.121 · anthropics/claude-code | GitHub
- Claude Code Changelog: All Release Notes (2026) | claudefa.st
- Claude AI was down — what we know so far about the outage | Tom’s Guide
- Claude Status - Incident History
- Claude Code 2.1.121: Opus 4.7’s full 1M context, finally | WotAI
- Claude Code April 2026 Update: /powerup, MCP 500K, Session Stability | Daily 1 Bite
- Claude Prompt Caching in 2026: The 5-Minute TTL Change | DEV Community
- Claude Code by Anthropic - Release Notes April 2026 | Releasebot